ラジカル制御塗料の特徴

ラジカル制御塗料の特徴

外壁塗装を考えているお客様のなかには、「塗料の種類が多くてよくわからない」「ラジカル塗料って何?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。こちらでは、岡山県岡山市を中心に、30年以上屋根・外壁塗装を手がけている「大塗屋」が、ラジカル制御塗料についてご紹介します。

概要

概要

ラジカル制御塗料は、塗料の4つの成分「顔料」「樹脂」「添加物」「水・溶剤」のうち、顔料にラジカル制御型酸化チタンを使用し、光安定剤(HALS)が添加されているものです。ラジカル制御塗料の「樹脂」にシリコン樹脂を使った場合には、「ラジカル制御型シリコン塗料」となります。
従来のシリコン塗料との違いは、顔料にラジカル制御型酸化チタンを使っている点です。

ラジカルとは?

ラジカルとは?

淡彩色系の塗料を調色するには「白色」の顔料が必要ですが、白色の顔料には酸化チタンが含まれており、紫外線の影響を受けると、劣化因子である「ラジカル」を発生させてしまいます。
ラジカルは塗膜樹脂を傷つけ、塗膜を薄くし、塗料の劣化を進行させる原因となります。「チョーキング現象(外壁を触ると白い粉が手につく状態)」は、この塗料の劣化によって起こるのです。

ラジカル制御型酸化チタンの役割

ラジカル制御型酸化チタンの役割

ラジカル制御型酸化チタンは、酸化チタンの表層に発生したラジカルを周囲の樹脂に触れさせないように閉じ込める“バリアー層”がある酸化チタンです。バリアー層がラジカルを閉じ込めてくれるため、ラジカルが樹脂に作用するのを防ぎ、耐候性を高めることができます。

光安定剤(HALS)とは?

ラジカル制御型酸化チタンの役割

ラジカル制御塗料には、ラジカル制御型酸化チタンのほかに、光安定剤(HALS)が含まれています。光安定剤(HALS)は、ラジカル制御型酸化チタンのバリアー層からラジカルが漏れ出した際に、ラジカルを捕まえてくれる添加剤です。光安定剤(HALS)は、ラジカル制御型酸化チタンを補助する役割を果たしています。

メリット

ラジカル制御塗料のメリットは、以下のとおりです。

【ラジカル制御塗料のメリット】

  • チョーキング現象を防ぐ効果がある
  • コストパフォーマンスが高い
  • 汚れが付きにくい
  • チョーキングを防ぐ

    ラジカル制御塗料は、バリアー層によってラジカルが周囲に影響をおよぼすのを防ぎ、塗料の劣化を防いでくれます。そのためラジカルが原因とされるチョーキング現象に強く、紫外線の影響を受けやすい場所の塗装にぴったりです。

  • 高いコストパフォーマンス

    ラジカル制御塗料は、シリコン塗料とフッ素塗料の中間の耐久性を持つ塗料です。
    一方、価格は平方メートル単価相場で3,000円〜4,000円で、シリコン塗料に近い値段で塗装をすることができます。そのため、近年ではラジカル制御塗料に注目が集まっており、少しずつ開発に力を入れるメーカーが増えています。

  • 汚れがつきにくい

    ラジカル制御塗料には、低汚染機能を備えているものが多くあります。親水性が高く雨水で汚れが流れるため、メンテナンスが楽になるのもうれしいポイントです。

デメリット

ラジカル制御塗料のデメリットは、以下のとおりです。

【ラジカル制御塗料のデメリット】

  • 新しい塗料のため、製品数が少ない
  • 濃色はできない
  • 選択肢が少ない

    ラジカル制御塗料は、2012年より発売開始されたものです。2016年頃には各塗料メーカーから商品がリリースされるようになりましたが、シリコン塗料やフッ素塗料などに比べるとまだ実績が多くありません。また、製品の数も、シリコンなどと比べてまだまだ少ないのが現状です。

  • 濃色はできない

    ラジカルは、白色の顔料に含まれる酸化チタンが生み出します。白色顔料を含まない濃色の顔料にはラジカルが発生しないため、ラジカル制御型酸化チタンは効果を発揮できません。

    濃色の場合にはラジカル制御塗料の機能は必要なく、耐久性も変わらないので、塗料の成分である「樹脂」に注目して選んでください。

PICK UP!

おすすめする条件

PICK UP! おすすめする条件

ラジカル制御塗料は、以下のような方におすすめです。

【ラジカル制御塗料がおすすめな方】

  • 初期投資をしてコストパフォーマンスを上げたい方
  • 淡彩色系の色で塗り替えを検討している方
  • 紫外線が多く当たる場所に家がある方
  • チョーキング現象で悩んでいる方

ラジカル制御塗料は外壁塗料の中でも注目株で、今後の主流になるといわれている塗料です。新しい塗料のためほかの塗料と比べると実績は多くありませんが、耐久性に期待が持てます。ぜひ、チョーキング現象で悩んでいる方や長期的なコストパフォーマンスを優先したい方は取り入れてみてください。